とある画家のアトリエ

動物たちにストーリーを与える絵描きの活動記録

わたしのなかの裏テーマ

最近話題に上がった話。

 

お遍路さんのコースは、四国を一周するようぐるりと囲むように配されているという。ある作家は輪廻転生を描くため、水のイメージを取り入れた絵を描かれた。また別の方から、ある国では数百年続いた伝統が壊され、途絶えてしまったというものを聞いた。この三つの話を聞き、前々から気になっていた言葉が浮かんだ。

 

それは「循環」だ。

 

わかりやすいのは植物だろうか。植物は種が土に落ち、それが芽を出し、やがて葉や実をつけ、いつか土に還ってゆく。そしてそれはまた新しいいのちとなり成長していく。それは昔から続いてきたとても自然なサイクルなのだと思う。これは動物や水にも言えることだろうし、お金もうまく循環させたいと思う。伝統や文化など形のないものも当てはまると思う。

目の前に当たり前のように存在するサイクルを、滞らせてはいけないような気がする。


循環、それは私にとっての裏テーマだったりもする。

絵を描くことはどう役に立つか

わたしはひとに教わったり教本のようなものを読むのは好きじゃないが「絵が描けない人が上手くなる本(仮)」を数年前に手に取った。一から学びたいというよりは復習気分で手に取ったのだが。
 
分厚い本の中でひとつだけ覚えていることがある。それは、
 
「人間は学習したことを別の方面で活かすことができる。
絵を描くことで養われるものを見る力は、物事をさまざまな角度から見ることができるようになる」
 
ということだ。なるほどそうかもしれないと思った。

大人になったいまだから思うのだけど、私は極端な思考の親の元に育てられたと思う。溺愛するようになんでも許されたかと思うと、何が原因かわからないのにキレられたりということがよくあった。地雷がわからない、と言った感じだ。そうやって混乱しながらも、絵を描くことだけは続けていた。子供の頃は友人たちとも遊びに行かず空想する一人の世界を持っていたのが、わたしという個人の考えを育て守ることができたのかもしれない。

学校、家という狭い空間から社会に出て、いろんな年齢の方と知り合ってひとの多様性を知り、そのひとたちが何を抱えていたのかも知ることができた。あ、そうか、こういうパターンもあるのかと気づくことができたのは、子供の頃親に向けていた疑問や理不尽だと感じていた思いを解きほぐすことにつながっていったような気がする。

絵を描くことは自分の天職であると思うと同時に、大切なことを教えてくれたのだと思う。

大難は小難を避ける

「大難は小難を避けることがある」

 

数年前、ある人に言われた言葉だ。

 

小さい失敗をすることで、これじゃまずいと方向転換し、これから起きるであろう大きな失敗を避けるよう動ける、ということがあるらしい。だからあまり人の人生にやる前からあれこれ口を出さないほうがいい、人の人生に口を出すということは責任がついて回るからと言われた。

 

確かにそういうこともあるだろうと思い、私は人のやることに対して進んで口を出すことはしないようにしている。私自身があれこれ言われたくないからというのもある。

 

別の人からは、人は教えられてすぐ実行できるタイプと、何度も頭を打って覚えるタイプがいると言われた。周りの人は明らかに後者のタイプが多い。もちろん私も含まれている。ちなみこういう人たちはなんだかんだ言って結構タフであるので、打たれてもしばらくすると復活することが多い。

適度な距離で温かく見守る。助けを求められたら応えるけど、自分から人の経験を奪うことはしない。勝手かもしれないが、それはその人がまた前を向けると信じたいからだ。

 

経験している最中は辛く苦しいだろうけど、いつかまっすぐに振り返ることができたなら、それは何ものにも耐え難い財産になると思う。

珍しくぶっちゃけてみる

 久々に書く内容がこれかい。といった内容。
 
画像は三年前の貯金通帳。
 
30代の通帳とは思えない有様である。

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 そう、別に隠してはいないが、私は一度フリーランス志し、失敗している。
 
その当時、策はなかった。今思えばとてつもなく無謀だった。
 
今もそんなにかわらないけれど。
 
 あまりにもお金に困った当時の私は、カードを分割払いに変えたり、日雇いのバイトをしたり、近所のスーパーにレジのバイトにも行った。レジのバイトはあまりにもやりたくなかったためか、声帯に膿がたまるという珍しい病気を患った。バイトを始めてわずか3ヶ月ほどでの出来事だった。
 
 そんなこんなで長くやっていたDTPグラフィックデザインの派遣の仕事に戻った。とりあえず必要とされるまで居続けようと思い、夢ばっか追ってないでちゃんと結婚資金を貯めることにした。 
 そちらもなんだかんだんで10ヶ月ほど経ったころに、クビなのか契約延長なのか、◯◯の借金問題、同棲、結婚するのか破談になるのかなんてイベントもあった。結局退職し、いつの間にか前職場での外注デザイナーとなり、合間を縫ってイベントで似顔絵描きするようなことになっていった。いつの間にか同棲から結婚もしていて、手描きの作品を作家として発表をするなんだかよくわからない人に仕上がっていた。

 知らない間に、ひとつの組織に所属していなくても、お金をいただけるようになっていた。
 
 定期的に収入がない時は、お金が減っていく恐怖もしばらくあったけれど、気にすればするほど夫の給料が上がったり、知人から仕事が舞い込んだりしてきて、自分が安心して生活できるような環境になっていった。理由はよくわからないけど、私は鼻息荒く意気込んでいない方が、なんとなくうまくいっているのだ。

 無謀な挑戦をしたことで、痛い目も見た。でも全ては自己責任として生きて行くことを決めたときから、人も許せるようになってきた。お金を循環させる意味もわかってきた。
 あ、そうか、一回しくじってから出直してこいってことだったのか。
 
 人生は自分で切り開くもの!と、胸を張ってかっこいいことは言えないけど、こんなゆるゆるライフを送っていても、変化を恐れなければ、なんとかなるようだ。だめならやり方をがらりと変える、時期を変えるのもいいかもしれない。
 失敗や何もできない日々があっても、それは決して無駄じゃない。

東京初個展!で思ったこと。

もう随分昔のことのようですが、4月に東京ドラードギャラリーで行った個展の記憶を辿ってみたいと思います。

率直な印象としては、思いのほか人が来られた、と思っています。

始まる前は、正直、無名の関西人の絵の展示に人は来るのか?誰も来なかったらどうしよう…と思っていました。

しかし、蓋を開けてみると、連日知り合いが来られ、友人が友人を連れて来てくれたり、毎日たくさんの方が紹介記事を書いて下さったり、応援メールを下さいました。始まる前は、こんな風になるとは思いもよりませんでした。
たくさんの方に応援してもらっているということがわかったことも大きな収穫でした。
やってみて本当にいろんなことが動き、分かったので、東京個展をやってみてよかったー!と感じています。
やらないとわからないことって、たくさんあります。

もし今、何かをやろうかどうか迷っている方がいるなら、不安要素ばかりに目を向けずに、できる可能性に目を向けて欲しいです。覚悟を決めれば、いろんなことが動きますよ。まずは簡単なことからやってみるのはどうでしょう。


最後になりましたが、少しでも会場の雰囲気が伝われるよう写真を掲載したいと思いますので、よかったらご覧ください。

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