とある画家のアトリエ

動物たちにストーリーを与える絵描きの活動記録

呪いの言葉

実は母が先日から膝を痛めている。


それまで相当元気だったため、本人は安静を余儀なくされ、かなりショックのようだった。私としてはゆっくりでも歩けるのだし、入院するでもなく、ましてや死ぬほどの致命傷でもないのなら、自分のペースを変えて生活すればいいと思っている。
一般的な、という表現を出して比べるものでもないだろうが、嫁いだ娘から実家に連絡をする頻度とはどんなものだろうか。うちは自転車で15分のところに住んでいることもあり、私自身はあまり実家のことを心配していない。

 

しかし、母は違うようだ。

 

調子はどうだから始まり、具合が悪くなればすぐ病院へ行け、という電話を月に何度かしてくる。先日の膝を痛めた時にすら、調子が悪いところがあったら早く治しやというので、さすがにまずは自分の心配をしろと言った。その後もちょっとびっくりするようなことがあった。

 

親は子供の心配をするものだろう。
たとえば「子供の体調が悪いからこの先良くないことが起きるのではないか」という一見相手のことを考えているような思いや態度の裏には「あなたは病気になり、良くないことが起きる」という無意識の意味づけが行われているような気がする。言われ続けた方は、無意識のうちに自分は病気で、これから良くないことが起きると思い込むようになる。
行き過ぎた心配は今起きていない未来への憂慮であり、現時点で必要なものではないと思う。

 

本当に子の幸せを願うのなら、いっそ手を離すことも必要ではないだろうか。長年の習慣を変えることは難しいかもしれないが、それは自分自身を信頼し、また子を信頼することにもつながる気がしている。

 

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