とある画家のアトリエ

動物たちにストーリーを与える絵描きの活動記録

絵を描くことはどう役に立つか

わたしはひとに教わったり教本のようなものを読むのは好きじゃないが「絵が描けない人が上手くなる本(仮)」を数年前に手に取った。一から学びたいというよりは復習気分で手に取ったのだが。
 
分厚い本の中でひとつだけ覚えていることがある。それは、
 
「人間は学習したことを別の方面で活かすことができる。
絵を描くことで養われるものを見る力は、物事をさまざまな角度から見ることができるようになる」
 
ということだ。なるほどそうかもしれないと思った。

大人になったいまだから思うのだけど、私は極端な思考の親の元に育てられたと思う。溺愛するようになんでも許されたかと思うと、何が原因かわからないのにキレられたりということがよくあった。地雷がわからない、と言った感じだ。そうやって混乱しながらも、絵を描くことだけは続けていた。子供の頃は友人たちとも遊びに行かず空想する一人の世界を持っていたのが、わたしという個人の考えを育て守ることができたのかもしれない。

学校、家という狭い空間から社会に出て、いろんな年齢の方と知り合ってひとの多様性を知り、そのひとたちが何を抱えていたのかも知ることができた。あ、そうか、こういうパターンもあるのかと気づくことができたのは、子供の頃親に向けていた疑問や理不尽だと感じていた思いを解きほぐすことにつながっていったような気がする。

絵を描くことは自分の天職であると思うと同時に、大切なことを教えてくれたのだと思う。